介護職に大型免許が必要なのか?また持ってることでメリットあるのか?について解説していきます。
介護福祉士資格保有者の私ですが、実は「大型免許」、正確には「大型自動車第二種免許」の資格も持っています。
理由として一旦、介護業界から離れ、異業種に挑戦してみたかったのと介護士に戻った際に役に立つのでは?という理由で取得しました。
では、実際に「大型免許」を取得し、介護業界に出戻りした時に役に立ったのかどうか等をお話ししていきます。
介護士が大型免許を取得する必要性は低い
結論から言うと、介護士の人が大型免許を取得する必要は現在では余り感じないです。
理由としてはデイサービスの送迎の際にはパートで年配のドライバーさんが運転する機会が多いからですね。
実際に「大型免許」を取得しておりますが、介護業界に出戻りした際には一度も使うことはありませんでした(笑)
ちなみに利用者の送迎に二種免許は不要
介護の送迎に必要な知識と資格この業務はタクシーなどとは違って「自家輸送」扱いとされており、普通自動車第1種運転免許があれば運転可能。 タクシーの運転などで必要になる2種免許は必要ありません。
なぜタクシーみたいに「普通自動車第二種運転免許」が無くても送迎は可能なのか?
道路交通法を参考して噛み砕くと、送迎の仕事で、運賃をもらって人を運ぶ事が主である場合に「二種免許」が必要になります。
デイサービス等の介護施設での送迎業務は、あくまで仕事内容の一貫としてなので、「二種免許」は不要と思われます。

しかし、二種免許は不要でも車両が大きくなれば大型免許は必要なので注意です!
介護士が大型免許を取得するメリット
先程は介護士が大型免許を取得する必要性は低いと説明しましたが、メリットは若干ございます。
介護事業所によっては不必要ですが、私の勤めていた社会福祉法人内のデイサービスでは大型免許を持っている事でメリットはありました。
- 大型免許の資格手当が付く
- デイサービス等の送迎が必要な事業所だと面接が受かりやすいとの
- 仕事で評価されやすい
大型車両での送迎が必要な際に手当てが付くのは嬉しいですね。
さらに、私の勤めていた法人の求人票には「大型免許」保持者優遇と記載されており、要するに面接に受かりやすいというメリットもあります。
介護の仕事もきっちりこなしつつ、大型車両の運転も出来るハイブリットな人材だと、他の介護職員よりも評価されやすいでしょう。
POINT大型免許が無いと大型車両は運転できないので、特殊業務の出来る貴重な人材として重宝されますね。
【異業種】運送業へ転職する際は実務経験として評価される
もし介護業界を離れることになった際、大型免許を取得し、大型車両を運転していた実務経験があると大型トラック運転手などの異業種に転職しやすいです。
介護の仕事は腰を壊して仕事を辞めていく方も少なくないので、手積みなどの手作業の無い大型ドライバー職へ転向されるケースも見受けられます。
中には、二種免許を取得して「介護タクシー」のお仕事に転職された方もいらっしゃいました。
なので、取得しておいて損はありませんが実際の介護業務となると正直首を傾げますね…
私も大型トラック運転手としての仕事の経験があり、異業種に転職する際は「転職エージェント」にお世話になりました。

介護士が大型免許を取得するデメリット
ここでは「大型免許」の取得を考えている介護士さんへデメリットをお伝えしたいと思います。
先ほどの話を聞くと「メリット大きいでしょ!」と突っ込みがきそうですが、そう甘くはありません。
では、実際に大型免許を取得するに当たってぶち当たる問題について解説していきます。
介護士が大型免許を取得するには費用が高い
取得までの平均的な費用は、人にもよりますが通学の場合は30万円台~35万円程度。 合宿の場合は30万円前後~となります。 日数もまた個々人の運転技能によりますが、通学の場合は20日間~40日程度、合宿の場合は最短で13日間となります。 準中型免許は前述の通り、2017年に新設された区分です。
薄給の介護士が取得するには、大型免許の平均的な費用は30万~35万とかなり高額なので捻出するのはかなり厳しいでしょう。
教習所の場合はもっと安いケースも御座いますが、ざっと見積もって30万はお金を支払うこととなります。
大型免許手当てが月に5,000円だと過程すると12ヶ月(一年)で12,000円、ペイするまでざっと5年も掛かります。
大型車両は普通車両より、運転技術が必要となりますし、不慮の事故のことを考えるとコスパ的に微妙なところではありますね。
POINT給料の安い介護士にとって大型免許代が高いのは最大のデメリットだと思います。
そもそも大型免許が不必要な介護事業所が多い
そもそも論、メリットで話したのは私の働いてた介護施設(デイサービス)の話であって、医療法人社団や資金が潤沢な介護事業所は介護職員が送迎業務をしないケースも多いです。
ハローワークや地元求人雑誌でもよく掲載されていますが、定年した方がバイトで稼げるように「送迎の時間だけ人材を雇う」といった運営方針の介護事業所が増えてきています。
送迎には殆ど二名の介護士が同乗しますが、人件費から見てもその時間帯だけバイトを採用した方が施設側の出費は抑えられますからね。
さらに送迎のバイトをするような方は、年配の方が多く、さらにバスの運転手やタクシー運転手をしていたプロの方が多いです。
なので、同乗する介護職員さんも安心して見守りや介護業務に徹することが出来ますし、利用者さんも安全でしょう。
このことから、介護士がわざわざ率先して大型免許をしても「うちの施設は別に必要じゃなかったわ(笑)」なんていうオチになりかねません。
まとめ
以上のことを踏まえると、介護士が大型免許を取得するメリットはございますが、デメリットの方が大きく感じます。
余りにもコスパが悪いですし、事故を起こしやすいリスクを考慮すると余りにも給料と見合ってないというが個人的な感想です。
大型免許を取得し、待遇や職場からの評価を上げたいのであれば現在勤めている介護事業所に満足していない、不満があるなら転職一択ですね。
大型免許手当てが無くてもホワイトな介護施設に入社できれば年収アップなんて意図も容易いし、何よりタダです。
もし、本記事を読んで「待遇が悪い、職場から取れと強要されている」といった理不尽な理由でしたら辞めた方が良いかもしれませんね。
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