私が介護福祉士として以前に勤めていた特別養護老人ホーム(以下、特養)で「ロング夜勤」と「ショート夜勤」の経験をしました。
特養の夜勤は従来型が大体ロング夜勤で、ユニット型の場合は、事業所によってロング夜勤とショート夜勤の2種類があります。
介護職におけるロング夜勤とショート夜勤の違いについて
では、よく言われてるロング夜勤とショート夜勤は具体的に「労働時間の」や「労働した日の計算」にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
介護士におけるロング夜勤とは?
介護職のロング夜勤は16:00~9:00の17時間拘束、休憩を差し引いて16時間労働のケースが多いですね(15時からの施設もある)
ロング夜勤は名称の通り、長時間労働を前提とした勤務体系であり、ロング夜勤一回で二日働いた計算になります。
そしてロング夜勤は夜勤明け→公休という形となるので、考え方では二連休に近いのでちょっとした嬉しさがあります。
POINT従来型の施設はロング夜勤のケースが多いですね
介護士におけるショート夜勤とは?
介護職のショート夜勤は22:00~7:00の9時間拘束で休憩時間を差し引いて8時間労働のケースが多いです。
施設によっては21時だったり0時からだったりばらつきはあります。
ショート夜勤では明けが休み扱いになり、明け→公休が無いので明後日が早番で体内時計を整えるのが大変といった側面もあります。
POINT最近のユニット型の特養ではショート夜勤が多いですね。
介護職のロング夜勤とショート夜勤のメリット・デメリット
具体的にロング夜勤とショート夜勤のデメリットについてまとめてみました。
本記事を参考に自分がどっちに合ってるか参考にして頂ければと思います。
【介護職】ロングとショート夜勤の休日の違い
先程も説明しましたが、介護士のロング夜勤のメリットは明け→休みという形になります。
労働基準法でいう休日とは24時間の休養期間が必要となります。
要するに「24時間」間を開けないと休日にはなりません。
なので、明け→公休という形でシフトが組まれます。
さらに明けと公休が設けらてるため、体内時計をリセットしやすく仕事に支障が出にくいメリットはあります。
さらに夜勤手当もロング夜勤は労働時間が長いため、ショート夜勤に比べて高い傾向にありますね。
デメリットはやはり長時間労働ということもあり、心身ともにショート夜勤より疲弊しやすいことでしょう。
片や、ショート夜勤は労働時間が短いがために明け→公休で無くても労働基準法には引っ掛かりません。
さらに労働時間も長い関係で夜勤手当も少ないですし、明け→早番といったシフトもあるので、体内時計を整えれず寝不足で出社しなければいけないデメリットがあります。
【介護職】ロングとショート夜勤の労働時間の違い
名前の通り、ロング夜勤とショート夜勤では労働時間が全く違います。
- ロング夜勤は大体16時間労働
- ショート夜勤は大体8時間労働
人手不足の場合、ショート夜勤の場合は朝7時に勤務が終わり、その日の夜22時に連続夜勤になるケースも珍しくありません。
実際に私も経験しました。しかし、考え方に違っては「ショート夜勤、連続夜勤だから体内時計整えるの必要も無いし夜勤手当も入るし美味しいじゃん」と思っていました。
介護事業所によっては労働時間の違いがあってもショート夜勤の方が夜勤手当が多い場合もあります。
そういった場合はショート夜勤でシフト組んでる介護事業所で働く方が美味しいと言えるでしょう。
【介護職】ロングとショート夜勤どっちが楽か?
やはり両方の経験者から言えることはショート夜勤の方が圧倒的に楽です。
それはショート夜勤の仕事内容がほぼ、定期見回りやオムツ交換、ナースコール対応、トイレ誘導や記録管理くらいだからです。
遅番の場合は、就寝介助のために以下の業務をこなさなくてはいけません。
- 食事介助
- トイレ誘導
- 夜間用のオムツへのパッド交換
- 口腔ケア
- パジャマの着替え介助
- おしぼりの消毒といった雑務
他にも噛み砕けば遅番の記録入力やゴミ捨てや、備品の補充をする場合もあります。
そう考えると遅番職員に比べると圧倒的に労働力を必要とせずに、まったりと夜勤をされている介護士も多いですね。
介護職のロングとショート夜勤の夜勤手当の違い
働く時間のでお分かりだと思いますが、ロング夜勤の方が手当が多く付くケースが多いですね。
さらに人手不足の施設だと先程も言ったように日勤業務にほぼ当たらず夜勤ばかりこなす介護職員も多いです。
すると必然的に夜勤手当もかさんでいき月々のお給料も高くなる傾向があります。
介護職のロングとショート夜勤の仕事内用
ショート夜勤では遅番の方が利用者の就寝介助が主になりますが、ショート夜勤は基本的に定期見回りやパッド交換やトイレ誘導、ナースコール対応です。
そして最後は怒涛の起床介助が始まります(笑)
その反面、ロング夜勤というのは遅番の就寝介助から起床介助まで全て行うため心身ともにかなり疲れます。
【介護職】ロングとショート夜勤の休憩時間の違い
ショート夜勤の休憩時間は1時間ですが、その二倍の勤務時間のロング夜勤でも休憩は1時間です。
とても過酷ですね。
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 ② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。
労働が8時間を超えた場合1時間休憩を与えることが義務付けられており、16時間のロング夜勤でも短い1時間休憩でも違法にはなりません。
実際に私も経験しましたが、実際に夜勤中に休憩時間を取得できない介護事業所も存在します。
休憩中もピッチ(ナースコール)を持たされ、鳴った場合は対応しなくてはいけないというケースですね。
きちんと労働基準法を守っている介護施設は夜勤者を二人設けていと思います。
緊急時に一人が対応することで、残りの介護士が朝番介護士がくるまで仕事を回すといった、非常事態に備え余剰人員を配置しているはずです。
夜勤者が二人いることでナースコールを気にせず仮眠も取れますし、ゆっくりと仕事の疲れを癒すことができます。
介護士ならロングとショート夜勤どっちがオススメなのか?
久しぶりの澤村アンケート
福祉現場の方にお尋ねします
あなたの事業者の夜勤はロング?ショート?— 助ける人 (@fukusinohito) May 12, 2018
Twitterでお見かけしたアンケートを色々見てきましたが、意外とロング夜勤が多かったり、ロングの方が好きという介護士さんが大半でした。
私としては労働時間が長いと疲労がたまってしまい、凡ミスが起きたり眠たくて介助がおざなりになってしまうリスクを考えたらショート夜勤が好きなのですが…
こればかりは人それぞれなので、何とも言えないですが夜勤初心者の方は「慣れる」といった側面も考慮しショート夜勤から経験することをオススメします。
給料のためロング夜勤か?身体的な疲労を考えてショート夜勤の介護施設で働くか?
これは結局、個人個人の働き方に左右されると思います。
【介護職】ワンオペ夜勤で疲れているあなたへ→人員配置の定期
a 指定短期入所生活介護の利用者の数及び当該特別養護老人ホームの入所者の数の合計数が二十五以下の特別養護老人ホームにあっては、一以上
b 指定短期入所生活介護の利用者の数及び当該特別養護老人ホームの入所者の数の合計数が二十六以上六十以下の特別養護老人ホームにあっては、二以上
c 指定短期入所生活介護の利用者の数及び当該特別養護老人ホームの入所者の数の合計数が六十一以上八十以下の特別養護老人ホームにあっては、三以上
aを例に出しますが、いくら要介護が高く、介助の利用者が多くても法律上はワンオペでも違法性はなんいんですよね…
しかし、実際に介護福祉士として夜勤を経験した上で語ると利用者次第ですが、ワンオペ夜勤は本当に地獄でした。
特に起床介助なんて朝4時から動かないと、パッド交換や着脱、義歯の装着や朝の水分提供なんて到底間に合いません。
そんな中、お便でシーツが汚染している時なんて確実にサービス残義確定です。
さらには転倒リスクの高い利用者に付きっきりになったら到底業務も終わらないので、事故にならないか運ゲーです。
正直独歩(歩き回る)してても放任するしかありません。
介護職の夜勤では人員配置を増やすべき
これだけネット界隈で「ワンオペ夜勤」に苦言を申されているということは、現場はそれだけ疲弊しているということです。
私自身も夜勤業務でかなり命を削りました。
これは厚生労働省が現場を分かっていない証拠でよね。
いくら私達が苦言を言ったとしても法律は中々変わりません。
介護士が夜勤を少しでも安全かつ楽にするためには?
介護業界ではよくフロア異動が起きますが、認知症の利用者様は職員の顔を覚えるのも一苦労します。
そして、馴染みの介護職員がいることで精神的な安定に繋がり、深夜帯の不穏行動もある程度無くなると思います。
そのことにより、昼はしっかり起きて、夜は寝るといった人間本来の生活リズムが乱れず平和な夜がやってくるでしょう。
そもそも介護施設は病院と違い、生活の場であり「安心できる第二の人生の家」とも言えるでしょう。
その為、介護職員は余程の理由が無い限り、ユニットに固定配置するのが良い介護だと個人的に思います。
【介護職】ショート夜勤で起きる人手不足の弊害
介護業界は人員不足ということもあり、夜間帯は2ユニット(20人)を一人で見守り、介助を行うのは当たり前な時代です。
法律では25人に1人ですが、とてもじゃないですが走り回らないと本当に業務がきつきつです。
私の特養時代は、日によって違うフロアの仕事をしていたため、夜勤でもの「あっちのフロアもショート勤務なら両方介護できるよね?」なんて無茶振りをされられたこともあります。
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最後に
今回はロング夜勤とショート夜勤について話してみました。
ロング夜勤派が多い中、私はショート夜勤をオススメします。
体内時計を整えるのが大変なのは承知の上で言いますが、ただでさえ夜勤は健康リスクが懸念され発ガン性が上がるのにロング夜勤なんて私には無理です。
明け→休みといった二連休に近い形に魅力を感じる介護職員は多いですが、年を重ねた際に病気になりそうで私は怖いですね。
これらのメリット、デメリットを考慮して自分にあった働き方のヒントなれれば幸いです。
最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。