介護業界は綺麗事ばかりで労働者が不満を抱えてるケースも珍しくありません。
その中でも、介護士のやりがい搾取の問題が深刻化しています。
今回はそんな「やりがい搾取」を受けている介護士が今後そううまく立ち回っていくかの方法や事例などを紹介していきたいと思います。
社会福祉を悪用している介護事業所が多い現実
社会福祉はよくボランティアを行っております。
そういった優しい心を悪用したブラックボランティアが多いように感じます。
ブラックボランティアとは?
災害ボランティアと五輪ボランティアは『ボランティア』という言葉でよく混同されてしまうのですが、まったく異なるものです。突発的な災害に対し、被災地で多くの手助けが必要なのは当然ですし、それが無償で行われることに対して、私も異義はありません。公共の福祉、公益に貢献していますし、利潤追求を目的としていませんよね。
東京五輪を例に出しましたが、介護業界では「窓拭きボランティア」といった無償労働を行っている施設があります。
あくまで清掃は労働であり、公共機関ではなくあくまでビジネスとして運営している介護施設では不適切なボランティアと言えるでしょう。
清掃代が浮いて喜ぶのは利用者様ではなく、上層部や経営陣の人達です。
逆に、素晴らしいボランティアとは民謡や学生の出し物と言ったものを、直接利用者様が見て楽しめるものだと私は考えています。
介護職員に対する綺麗事
介護士へ対する扱いがもはや「奴隷」のようになってきています。
経営陣が求める人材は「イエスマン」であり、違法労働を喜んで行う体の良い人材が欲しいブラック施設が多いのが現実です。
YouTubeに寄せられたコメントでも世の中の8割がブラック企業と言う意見もあり、否定できない自分がいました。
では、実際に社会福祉を盾に利用した綺麗事がまかり通っているのか事例を見ていきましょう。
綺麗事を悪用したサービス残業
ボランティアの延長戦と勘違いしているのか介護業界ではサービス残業が横行しています。
特に退勤直前の転倒事故等、やむを得ない理由で起きたとしても居残りして事故報告書を作成しなければなりません。
ホワイトな事業所の場合、役職者が作成する等サービス残業を減らす取り組みを行っていますが現状では出来ていない介護施設が大半を占めます。
社会福祉を盾に犯罪行為を平気で行う神経を疑います。
綺麗事を悪用したサービス休日出勤(夏祭りのイベント等)
夏祭りのイベントはボランティアとしてはホワイトな側面があるためか、それを利用し休日出勤をさせる介護事業所が多いです。
あくまで介護職員は社会人であり、労働契約をしている従業員なのでプライベートを潰させられるのはさせられるのは、あまりに酷だと私は思います。
これではイベント当日の勤務者だけ得して不公平と言っても過言ではありません。
雇用主と労働契約している以上、休日出勤をさせるのであれば本人の了承を得たうえで休日出勤手当を支給すべきだと考えます。
というか、一般企業だと至極当然な事です。
夜勤明けや入りの会議の半強制参加
夜勤はただでさえに肉体的、精神的に疲れる上に最近の研究で寿命が短くなることが分かりました。
そんな疲弊した状況でユニット会議や法人全体の会議に半強制参加させるのは悪魔的所業と言わざるを得ません。
半強制参加と書きましたが、もし参加しないと他の職員から後ろ指差されたりと、肩身が狭くなってしますので参加しないといけない雰囲気が漂っています。
夜勤者に対する労りや優しさが全く感じられませんね。
認知症の利用者からの暴力、セクハラの容認
暴力を振るわれても
上の人間は知らんぷり。
認知症だから?
弱い立場だから?
こんなんじゃ介護福祉士は増えないよね。
みんな辞めていく一方。— 介護職あるある (@kaigo_aru2) April 15, 2020
暴力を振るわれても
上の人間は知らんぷり。
認知症だから?
弱い立場だから?
こんなんじゃ介護福祉士は増えないよね。
みんな辞めていく一方。
〜@フォロワー様より
介護現場では介護士が入所者に対しての暴力事件が時折ニュースになっていますが、逆パターンは殆ど放映されません。
介護施設ではそういった暴力、介護ハラスメントに対して認知症だから仕方ないと匙を投げている状況です。
「訪問でお仕事してるとセクハラっていうか、胸触る、お尻触る、友達の介護士さんは介助中に乳首かまれたりとか。相手は1人暮らしだし、声出したところで誰かが助けに来てくれるわけでもない中で恐怖感もあります」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/nQoeW8cnv1
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) March 7, 2018
「訪問でお仕事してるとセクハラっていうか、胸触る、お尻触る、友達の介護士さんは介助中に乳首かまれたりとか。相手は1人暮らしだし、声出したところで誰かが助けに来てくれるわけでもない中で恐怖感もあります」#ねほりんぱほりん
施設介護では利用者からのセクハラは他の職員により制止されたりしますが、訪問介護となると人数も少ないため女性職員は恐怖しながら労働しています。
全ての利用者がセクハラを行うわけではありませんが、そういった危険性の高い利用者宅へは男性職員が対応する等の配慮が必要と言えます。
暴力にしろセクハラにしろ、認知症だからと片付けるのではなく事業所側が速やかに対処すべきだと思います。
正社員登用制度ありを利用した嘘求人
介護士の求人は地域差があれど、非正規雇用の呼びかけが多いです。
正社員登用制度を餌に人材を準社員や契約社員といった形で搾取する介護事業所も珍しくありません。
中には正社員の規定人数が決まっている介護施設もあり、いつまで立っても正職員になれないえぐいケースも存在します。
そうなった場合、正社員の介護士が仕事を辞めない限り永遠に非正規雇用のままです。
正社員と同じ労働をしているのにも関わらず、月収やボーナスが低いのはやりがいの搾取以外何ものでもありません。
そういう綺麗事だけの介護施設は必然的に離職率が高い傾向にあります。

介護士が介護業界の綺麗事を回避するには
では、具体的にそういった綺麗ごとに巻き込まれないために、介護士はどういう立ち回りをすればいいのか解説していきます。
これを実行する際は仕事仲間と違う行動を取る必要も出てくるので、周りから批判もくる場合もありますが嫌われる勇気が無い限り、あなたは搾取され続けます。
自己犠牲を辞めよう
サービス残業や休日出勤といった違法行為に加担するのは辞めましょう。
善行というものは自分に余裕がある場合、初めて他者に分け与えれるものです。
「やりたくない」と感じている時点で、それは自己犠牲であり自分の命を削ってるのと一緒です。
介護の仕事に対する意識
真面目に仕事をしすぎると「こいつは便利な人間だ」と判断され余計な仕事を振られる可能性があります。
不真面目になれとは言いませんが、お人好しになりすぎるなという意味です。
人優しい人に対してその性格に付け込み必要以上に求めてくるテイカーという人種も存在します。
「テイカー」とは、すでに述べたように、「自分の利益のためだけに、人から奪おうとする人」です。 一方、「ギバー」とは、「人に利益を与えると、自分にも与えられる」ことを知っている人です。 人間は「利益」を確保しなければ、生きていくことはできませんから、「自分の利益」を得ようとするのは全く間違ったことではありません。
こういった自分の利益のため労働者から時間を奪おうとする人にロクな人はいません。
テイカーは一時的に成功する事があっても長続きしません。
その結果、今現在介護業界では人手不足倒産が相次いでいます。
介護は福祉だかボランティア精神が大事と考えるのは辞めましょう。
あくまで介護事業所もビジネスであり、あなたも労働者ということを理解しましょう。

綺麗事ばかりの介護施設からの転職
上記の事を実践しても村八分にされたり、パワハラやいじめに発展するようでしたら転職も一つの道です。
あなたが定年までその介護施設で働ける自信があるのであれば止めません。
恐らくですが、そんな違法行為ややりがいの搾取が横行している事業所は給料もう安く、休日出勤も多いため実質の年間休日も少ないはずです。
施設施設によって基本給や公休数が決められているので条件の良いか法人や会社に転職する方が問題解決の近道になるケースも珍しくありません。
平の介護員でも年収500万貰えるようなホワイトな介護施設が存在するのも事実です。
そういった施設は人気で倍率も高いため就職のハードルは高いですが、質の低い介護士が少ない傾向にあるので職場環境が良好な場合が多いです。
本当に色々と試してダメな場合は転職エージェントを利用して転職活動しましょう。
今やサービス責任者ですら転職する世の中です。

綺麗事ばかりだと介護業界の衰退が加速する
綺麗事ばかりの介護業界もネットの発展と共に、ブラック労働が横行しているのが露見し始めてきています。
すでに人手不足倒産がニュースになるくらいなので、このままだと資金力のある社会福祉法人や医療法人社団もその余波を食らうかもしれませんね。
では、綺麗ごとばかりの介護業界を世間はどのように見ているのか?
介護士は底辺職のイメージ
先日、とある就活サイトで「底辺職業ランキング」なるものが投稿され炎上しました。
介護士がなぜ底辺なのかというと肉体労働で給料が安いという表面的な理由でしたが、実際の介護業界の闇は先ほど説明した様に深いです。
いずれ、インタビュー記事などが大々的に取り上げられバズった時が介護業界の大きな転換期になるかもしれませんね。
果たしてそれが良い方向に進むか悪い方向に進むかは分かりませんが…
介護士をやりたい人が減ってきている
私が介護福祉士を取得した役15年前は介護専門学校といった福祉大学は定員がいっぱいでした。
ですが、今や成り手も激減し定員割れしている教育機関が増えています。
理由としてはメディアやネットで介護の仕事の情報が取り上げられ、過酷な労働条件で働いているのが世に知れ渡ったのも原因の一つかと思います。
さらに離職率も高いことから口コミで介護業界の劣悪さが人づてに伝わっていったのも原因かと思います。
介護士の離職率が高くなる
綺麗事ばかりの理不尽な環境下で労働を強いられたら、精神疾患になったり「もうやってられない」と退職する人が増えます。
普通に考えて労働基準法を犯すサービス残業やブラックボランティアを頻繁に強要されたら働く気も失せますよね。
これが東京大学出の大企業勤めとなると「給料や待遇良いし、ちょっとは我慢するか」となりますが介護職はそうはいきません。
給料の安い施設でさらに労働環境が最悪だと「こんなブラック企業で我慢する意味がない」と判断され瞬く間に優秀な人材はいなくなります。
妥協点すら皆無で犯罪行為を平気で行う企業に存在価値はありません。
最期に
いかがでしたか?
YouTubeのコメントで「介護業界は綺麗事を悪用しているところが多い気がします」と書き込みがり、今回記事起こししてみました。
私も正社員雇用の介護福祉士時代、まさにやりがいの搾取にあっていたため、同じような思いをされる被害者の方が一人でも救われるようにと思っています。
介護業界は5割~8割がブラック介護施設だという意見もあるため、働く施設は慎重に選ぶようにしましょう。