私は過去に失業保険を5回程受給した経験がありますが、全て3ヶ月(現在は2ヶ月)の給付制限を待たずに最短で給付金をすぐにもらいました。
仕事を辞めることになって失業保険というものの存在を知る人も多いかと思います。
失業保険を知っているといないとでは、退職後に大きく損をする可能性があります。
そしてそ、その失業保険も条件次第ではすぐに貰う事も可能です。
失業保険は基本的に自己都合退職ではすぐに支給されませんが、実のところは条件さえ満たせば2ヶ月の給付制限なしで貰うことができます。
自分から退職を申し出たは良いが、パワハラや長時間労働、精神的な事情等でやむを得ず仕事を辞めた人にとって役立つ方法です。
本記事では、失業保険を早く貰えるようにするには具体的にどのように行動すれば良いか紹介していきたいと思います。
失業保険をもらえる条件
失業保険がもらえる条件として、雇用保険に加入している事が前提条件です。
退職前の会社で雇用保険に加入していた期間が12ヶ月以上(1年)必要となります。
要するにすぐに辞めてしまった場合は雇用保険の加入日数が足りないために、失業保険が貰えないという事が分かります。
POINT離職前2年間の間に通算して12か月以上あることが条件なので、実は前の会社の離職票と合算できるケースもあるのでハローワークに相談してみるのも良いでしょう。
失業保険を受給するために当たって注意すること
上記の条件とプラスして以下のことを満たしていないと失業保険は貰えないです。
1 上述した雇用保険期間(被保険者期間)を満たしている
2 仕事を就ける状態であること
3 就業する意志があり求人を探している等
の3つの要件が必要になります。
1の条件を満たしても「ニートがしたいから就職しない」「病気のため医師から就職してはいけないと言われている」等の理由だと失業保険は受け取る事は出来ません。
又、傷病手当と同時に失業保険を貰う事は出来ませんのでご注意下さい。
失業保険をすぐもらう方法とは?
あなたが普通に退職届を提出し、そのまま退職しハローワークで手続きをすると失業保険はすぐに貰えません。
通常通りの退職だと「自己都合退職」となり、給付制限は発生します。
自己都合退職から会社都合退職に切り替える
「自己都合退職」とは、実家に帰るといった家庭の事情や自身の個人的な都合による退職の際にこれに該当します。
しかし、条件を満たすことで自己都合退職から会社都合退職へ切り替えることができます。
会社都合に変更した際は雇用保険保険の加入期間も6ヶ月以上と緩和されます。
つまり半年働いて条件を満たせば1年待たずとも失業保険の給付者に該当する訳です。
では、その会社都合に該当するケースについて話していきたいと思います。
会社都合退職でなれる特定受給資格者とは?
先ほど文中で言っていた会社都合に該当するケースに特定受給資格者というものがあります。
自分から退職しても、実際問題としてやむを得ない理由があった際に該当します。
この特定受給資格者の認定がされた場合、失業保険は3ヶ月待たずに支給される仕組みです。
では、具体的にどのような人が当てはまるのか?
- 「倒産」等により離職した者
- 「解雇」等により離職した者
主にこの2点でかみ砕いて深堀していくと以下のような条件になります。
- 会社が潰れた(倒産)
- 会社に辞めさせれた
- 労働契約の際の条件が著しく違った
- 賃金の未払い
- 長時間残業
- 病気やケガ、妊娠中にも関わらず労働を強要された
- 契約社員などの有期雇用で3年以上勤務しており、働く意思があったが契約が更新されなかった
- 同僚や上司からイジメ、パワハラ、セクハラを受けた
- 会社から退職するよう勧奨され会社を辞めた
- 会社に原因があって休業するに至り、3ヶ月以上が経過してから離職した
- 事業所の業務が法令違反に触れたため離職した
上記の内容で退職に至った場合、証明等があれば「特定受給資格者」に該当します。
私は以前にパワハラで辞めた時と長時間残業で2回失業保険を貰っています。
ここからは実際の私の体験談と共に、自己都合退職から特定受給資格者に切り替えた方法を説明していきます。
パワハラされて退職し失業保険をすぐ貰う方法【体験談有】
パワハラで特定受給資格者になるのはかなり厳しいです。
在職中の職員2名分の、あなたへのパワハラの証明書が必要です。
在職中の職員が会社からの報復を恐れて書いてくれない可能性も高いですし、再現性は低いと言えるでしょう。
なので、この方法はオススメできません。
後々説明する特定理由離職者になる方法を使うのが現実的ですし、確実性も高いので割愛します。
長時間労働で失業保険をすぐ貰う方法【体験談有】
離職までの6ヶ月間の内に残業時間が多いと特定受給資格者に該当します。
- 3ヶ月間連続で45時間以上の残業をした
- 連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した
- 1ヶ月の残業時間が100時間を越えた
1日に3時間以上残業されている方は高確率で該当すると思いますので、最寄りのハローワークに相談してみましょう。
ちなみに私はコンビニのトラック運転手で配送のお仕事をしていました。
実情は超絶ブラック企業で1ヶ月の残業が100時間越えていたので速攻で失業保険を貰う事が出来たのです。
ちなみにハローワークによっては残業の証明書はタイムカードでは判断できないというところがあります。
北海道帯広市のハローワークはそうでした。
そういった際は残業時間の証明できる給料明細が必要になってくるのでかならず保管しておきましょう。
私は給料明細のおかげで残業時間の証明となり、過去に2回もらった実績があります。
休日出勤の労働時間はまるまる残業時間扱いになります。
なので、残業プラス休日出勤で条件を満たしている人もいるかと思うでよくチェックしましょう。
会社都合退職でなれる特定理由離職者とは?
特定理由離職者とは、特定受給資格者と同じく該当すれば3ヶ月の給付制限がなくなり、待期期間の後すぐに給付金をもらうことが出来ます。
特手理由離職者とはどういった方が該当するのか?
- 働く意思があったが労働契約期間が満了し、労働契約の更新がされなかった
契約社員の求人票でよく見かける、契約更新の欄が「契約を更新する場合がある」とされている場合など、契約の更新について明示はあるが不明瞭なものですね。
特定受給資格者や、上記の理由以外にもその他やむを得ない理由により離職した人も対象となります。
- 病気やケガ(体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した)
- 妊娠、出産、育児等により離職した
- 親の介護など家庭の事情により離職した
- 結婚で住所変更があり、家族と別居生活が難しく離職した
- 通勤が困難になって離職した(事業所の移転、交通機関の廃止、配偶者の転勤など)
- 企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等
といった理由で退職に至った場合は、「特定理由離職者」に該当する可能性があります。
詳しくは特定受給資格者や特定理由離職について、厚生労働省の公式ホームページにて開示されているので一度確認しましょう。
又、最寄りのハローワークにて相談する事をオススメします。
パワハラや残業の証明が難しい方は証明書に医師からサインを貰おう
パワハラの証明や残業時間の証明が難しく、失業保険がすぐに支給されることが望めない時は精神科にかかってハローワークの証明書にサインをもらいましょう。
こちらの方法だと特定理由離職者に該当するため確実に失業保険がすぐにもらえます。
心身ともに疲れていて限界なら予め退職前から通って準備をすることをおすすめします。
ただ、精神科の先生によっては書いてくれない場合もあります。
診断結果で精神的な障害が認められない時ですね。
きちんとパワハラや残業で心身ともに消耗していることとを伝えましょう。
就職困難者に該当すると、失業保険のもらえる日数が90日から300日に増えるケースもあります。
診断書を書いてもらった際は就職困難者についてハローワークの職員に尋ねてみましょう。
後程詳しく説明しますが、特手受給資格者や特理由離職者に該当した際に国民健康保険(保険証)が減額される可能性が極めて高いため、受給資格者証を持参し市役所の国保課に行きましょう!
◆うつ病で特定理由離職者になる方法は下記の関連記事より↓

適応障害でも失業保険はすぐにもらえる
「適応障害」や先ほど紹介した「うつ病」などの精神疾患で退職となってしまった場合は特定理由離職者に該当します。
しかし、適応障害の原因はほとんどが仕事が原因のため、退職後に就職困難者になれる可能性は低いです。
しかし、仕事が原因の場合でも、就職活動が困難な際はハローワークで失業保険の給付申請自体出来ません。
失業給付は就職が出来る状態にある人が受けれる制度だからです。
POINT心身の不調のある方はハローワークの窓口で精神疾患が理由で辞めた旨を伝えましょう。

【余談】傷病手当金と合わせれば失業保険が最長2年6ヶ月になる
1年以上健康保険をかけていれば、退職後に傷病手当金という給付が受けられる可能性があります。
ただ、社会保険加入1年未満で退職してしまった場合は、退職後の受給はできません。
さらに条件も厳しく以下の通りとなります。
- 会社に在職中に業務外の病気やけがで3日連続で休んでいる(有給も可能)
- 退職日に出勤しない(公休や有給でもよい
- 医師から労務不能の診断を受けている(3日間の初日)
- 退職日までに継続して1年以上健康保険に加入している※被保険者期間)
この条件を満たしていれば、所定の手順通り傷病手当の申請書を協会けんぽに提出すれば傷病手当が受けられます。
注意すべきなのは、失業保険の担当はハローワークで、傷病手当は協会けんぽということは覚えておきましょう。
ちなみに「両学長 リベラルアーツ大学」の「第3回 失業保険を2年6ヶ月もらう方法【お金を”貯める”】」にて傷病手当の貰い方を詳しく説明されています。
しっかりと貰い方を知りたい方は下記の動画を参考にしましょう。
職業訓練校へ通えば給付制限がなくなる
特定受給資格者や特定理由離職者に該当せずに自己都合退職でも、職業訓練に通えば3ヶ月の給付制限なしで失業保険が支給されます。
職業訓練を受講している間に失業保険の給付期間が終了しても、訓練終了まで失業保険が延長でされ、最長2年給付を受けれます。
しかし、読んで字のごとく資格取得や就職促進の制度なので職業訓練校に合格する必要があります。
受講できるコースもお住いの地域で異なりますし、必ずしも自分が受けたいコースが設けられているとも限りません。
私の地域では短期コースで以下のようなものがございました。
- OA実務科
- 介護実務科
- 経理実務科
はい、かなり限られたものしかありません。
都市部だと色々とコースも豊富ですが田舎にお住まいだと気になるコースが見つからないケースもあるかもしれません。
しかし、この選択で資格や手に職を付けれるので、スキルアップをしたい方には美味しい制度なのは間違いありません。
どのような職業訓練コースがあるかハローワークに問い合わせてみるのも良いかもしれませんね。
POINT東京等の都会は「職業訓練コース」も多彩ですが、地方といった田舎にはロクな職業訓練がないのがデメリットです。
特定理由離職者と特定受給資格者が失業保険給付後に知っておきたい事
晴れて失業保険をすぐに貰う事に成功しても、まだまだ忘れてはいけない手続きはあります。
ここでは、特定理由離職者と特定受給資格者になったあなたが失業給付を受けるようになった後に知っておくべきことを説明していきます。
国民健康保険の減免を忘れずに!
「特定理由離職者」や「特定受給資格者」といった退職理由をハローワークから認定を受けると国民健康保険が減免されます。
これを知らずに損をしている方がかなり多いので、すでに国民健康保険証を所持している方でも後程市役所の国保課に絶対にいってください。
画像にもあるように失業保険を受ける際に「雇用保険受給資格者証」の原本を持参しましょう。
私も申請しましたが国民健康保険料が月々約12,000円から約2,000円近くまで減免されました。
月の出費が一万円近く変わってくるため忘れずに手続きをしましょう。
POINT当然ですが、受給者が自ら申告して手続きをしないと勝手に減免はしてくれませんので注意
就職後は再就職手当といった職業促進手当を貰おう
番外編ですが、就職後にも「就業促進手当」にというお金がもらえる制度があるのでご注意を。
「就業促進手当」で有名なものでいうと「再就職手当」が一般的ですね。
画像であるようにうまく利用すれば約100万近くの莫大なお金を得ることが出来ます。
「再就職手当」は、失業保険の残り日数が三分の一以上残して就職した際に支給される仕組みです。
ちなみに所定の3分の2以上なら、増額されるので早期就職の方がうまみがあると言えるでしょう。
就職困難者だと、給付日数がかなりあるので上記の画像通り、早期就職すると高額な再就職手当が貰える可能性があります。
他にも就業促進定着手当という制度もあり、「再就職手当」の支給を受けた方で、再就職先の会社で半年以上働いたが、半年間の支払われた給料が前の職場より少なかった際にもらえる給付金のことです。
詳しくはハローワークのサイトを参考にしてみてください↓
就職したけどすぐに仕事を辞めても再び残りの失業保険は支給される
就職したけどすぐに仕事を辞めてしまって困った人は多いかと思います。
求人詐欺やブラック企業にあたってしまいすぐに退職された際でも、給付日数が残っていればハローワークに再度申請する事で残りの失業保険が再スタートします。
ここで注意すべき点は「失業保険の受給期間は退職日の翌日から1年間」という事です。
すぐに離職した際は問題ないとは思いますが、心配であれば受給資格者証を確認しましょう!
再就職手当を貰っていても残りの日数分の失業給付は支給される
皆さん結構知らない方も多いんですが、再就職手当を受給して、すぐに退職してしまったケースでも失業保険の日数が残っている事があります。
しかし、本来支給されるはずだった失業保険から再就職手当分を引いた額が、日額いくらという形で支給されるんですよね。
再就職手当分の金額が引かれているので、給付日数はかなり少なくなります。
なので、再び就職するために焦ってしまう危険性もあるので、そこは充分に理解しておきましょう。
注意!失業保険の受給期間は退職日の翌日から1年間なのでそれを過ぎていたら、辞めても失業給付金はもらえません!
就活は良い求人が掲載されている転職エージェントも併用しよう
ハローワークの求人は正直いってブラック企業が多いです。
なぜなら求人詐欺が横行しており、自分も2回程騙された経験があります。
ハローワークにもお宝求人はたまに出現しますが、無料で企業が掲載する分どうしても良質なものは埋もれてしまいます。
なので、転職サイトや転職エージェントに登録し、きちんと人材確保にお金を掛けている優良企業を見つけていきましょう。
自分で探すタイプの求人サイトも良いですが、転職エージェントを利用するにあたってたくさんのメリットがあります。
- 完全無料で利用できる
- 担当者が厚待遇な案件を紹介してくれる
- 非公開求人と言われる地元求人誌やハローワークにないレアな求人がある
- スマホ一つで簡単に登録できる
- 見やすいデザインなので横になりながら職探しが出来る
適当に一つのサイトに登録するのでは無く、より多くの転職エージェントを利用するのがポイントです。
転職エージェントによって扱っている案件も様々ですし、担当者によっても違ってきます。
どの転職エージェントも無料で利用できるので、うまく使い分けて就活に役立てましょう。
分母が大きければ大きいほど、あなたの目にホワイト企業の案件が飛び込んでくる可能性も上がります。
私が介護士から一般職に転職した際に使用した、他のオススメの転職エージェントはこちらから↓

最後に
いかがでしたか?
失業保険を5回もらい、5回とも特定受給資格者か特定理由離職者だった私の渾身の記事でした。
今回の記事で伝えたいことをまとめると、失業保険をすぐ貰うにはハローワークの証明書に医師からのサインを貰い、特定理由離職者になるのが手っ取りばやいということです。
読んで頂けたならご理解できたかと思いますが、残業で勝ち取る方法も働き方改革で難しくなっていますし、パワハラも文中で説明した通り困難です。
わざわざ失業保険のために結婚したり、偶発的に交通機関が止まるなんてありえません。
そもそもこの記事を読んでる方の大半は仕事で消耗して、どうにかしたい人が読まれていると思います。
心身ともに疲れて行動力が鈍化してるかもしれませんが、出来れば在職中から時間を見つけて早いうちから精神科や心療内科に通って退職の準備をしましょう。
そして、失業中は「転職エージェント」といった転職サイトを利用し、ホワイト企業探しするのが最善の一手だと私は考えます。
少しでも心の不安が解消されるよう、心より願っております。
是非この記事を参考にして頂き、人生の新しい門出の助力になれればと思っています。
それでは、本日も最後まで見て頂き誠にありがとうございました。