精神障害者保健福祉手帳とそれにまつわるメリットは、多くの介護者が知らないことです。
あなたも、「精神障害者保健福祉手帳って何?元介護者の自分にも適用されるのか?」などの疑問があるかと思います。
今回は、精神障がい者手帳3級の内容をご紹介します。また、障害年金のメリット・デメリットについても詳しく解説していきます。それでは早速、本題に入りましょう。
精神障害者保健福祉手帳とは?
精神障害者保健福祉手帳は、精神障害者に対する手帳制度である。表紙には、精神障害者とわからぬよう単に『障害者手帳』と表記されており、広義の「障害者手帳」の各種のうち、本手帳のみを指す場合がある。 1995年に改正された精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条に規定された。
精神障害者保健福祉手帳に該当する人はどのような方なのか見ていきましょう。
- 統合失調症
- うつ病、そううつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
- そのほかの精神疾患(ストレス関連障害等)
この中でも三級に区分されるのは以下の通りです。
精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
三級の場合はあくまで日常生活を送れる自立力が必要になります。
精神障害があっても自炊したり掃除したりなど出来る状態になりますね。
介護士が精神障害者保健福祉手帳をもらうメリット
精神障害者保健福祉手帳3級を取得した元介護士にとって、いくつかの利点があります。
手帳を取得したことによる経済的な影響や、利用できるサービスの種類、利用方法など、自分の現状を把握することができるようになります。
各種制度について
- 年金…障害基礎年金
- 手当…特別障害者手当
- 住宅…公営住宅の優先入居
※上記については各市町村の各窓口へ
- 融資…生活福祉金の貸し付け(各社会福祉協議会など)
- 就労支援…各ハローワークなどで商業相談や紹介
上記の通り自分の権利や給付金の申請方法についても理解することができます。
また精神障害者手帳3級は税金の控除や免除があります。以下の税について、控除または免除が受けられます。
- 所得税…各税務署又は勤務先
- 住民税…各市町村の住民税担当課
- 相続税…各税務署
- 贈与税…〃
- 郵便貯金…銀行預金等の利子など、各税務署
- 自動車税…各総合振興局
- 個人事業税…各市町村の税務担当課
特に田舎暮らしの方にとって車は必需品なので、手帳があることで自動車税が安くなるのは大きなメリットですね。
自立支援制度も活用しよう
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患(てんかんを含む)のために、通院による医療を継続して受ける必要がある方の、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
自立支援制度は指定の医療機関、薬局のみで利用可能なで、通常3割負担の医療費が1割負担まで済みます。
新薬など処方されている場合は薬代だけでも4000円以上いく方もいるので、この制度を利用するだけで1割負担で済むのは大きいです。
精神障害者保健福祉手帳3級を取得すべき介護士とは?
精神障害者保健福祉手帳3級を取得した方が良い介護士さんはどのような人が該当するのか解説していきます。
仕事で病んで「うつ病」を発症した方は迷わず取得することをオススメします。
適応障害では精神障がい者手帳をもらうことは出来ませんが、うつ状態が深刻になると「うつ病」になってしまいます。
こうなると、もはや「心の骨折」といっても過言では無いので早急に休養されることをおすすめします。
仕事の過重労働や人間関係で病んでしまい、うつ病と診断されてしまったら休職すると共に精神障害者手帳を発行することも視野に入れるのも良いでしょう。
公的なものは遠慮せずに使って自分の体調が治るように行動しましょう。
精神障害者手帳のデメリットとは?
精神障害者保健福祉手帳3級を取得することによってデメリットはあるのか?
正直言ってデメリットはほぼありません。
もし必要がなくなれば返却も出来ますし、精神障がい者手帳があることで「障がい者枠」で就労することも出来ます。
その際は自分の病気を伝えて通院への理解を貰えたりするので、勝手が良いんですよね。
しかし、中には障害者に対して差別意識のある仕事仲間もいるとの話を聞いたこともあるので、そこだけは注意です。
一般枠で就職する際はクローズド(隠して)にして働くことも出来ます。
あくまで手帳の有無はプライベートな事なので伝える義務はありません。
しかし、住民税や所得税からバレることがあるので一般枠で働いてて心配な方は税務署に相談すると良いでしょう。
精神障害者手帳三級の申し込み方法
申請方法
- 居住する市区町村の担当窓口で、精神障害者保健福祉手帳を取得したい旨を伝え、申請書類を受け取る。
- 主治医に診断書を書いてもらうよう依頼。 …
- 申請書や診断書などの必要書類一式を、市区町村の担当窓口に提出する。 …
- 審査によって等級が決定し、手帳が交付される。
病院によっては役所に行かずにそのまま申請書類を書いてくれる医療機関もあるので、一同主治医に確認すると良いでしょう。
精神障害者手帳を申請する際に自立支援制度も同時に申し込むとスムーズに事が進むと思います。
精神障害者手帳の申請が通らない事はあるのか?
余程の事が無い限り落ちる事はありません。
審査の基準として投薬されている薬も審査の対象になるみたいですが、眠剤だけでも「うつ病」と認定され三級の手帳がもらえるケースもありました。
6ヶ月以上の通院歴があれば安心して申し込んで下さい。
但し担当医が書いてくれないとなると泣き寝入りしなければならないのが辛いところですね…
全ては担当医の先生次第です。
まとめ
精神障害者保健福祉手帳3級手帳を取得したい介護士さんには貴重な情報だったと思います。
手帳に付随するメリットはデメリットよりも遥かに多くもあることを忘れてはいけません。
心の傷を負った際は福祉を最大限に利用し、心が回復するまでは頼るのも大事なことだと私は考えます。